Mittwoch, 27. Februar 2013

ティーレ『ハサン・ラッサースの自然哲学』

Thiele, J.: Theologie in der jemenitischen Zaydiyya: Die naturphilosophischen Überlegungen des al-Ḥasan ar-Raṣṣāṣ (IPTS 86), Leiden: Brill, 2013.

イエメンのザイド派内でのムウタズィラ学派神学受容ついて研究を進めているThiele が新著を出版するとのこと。またしてもBrill 出版から、しかも同じIPTS シリーズからの出版(前著については、こちらを参照)。前著がIPTS 84 だったので、本書は前著とのあいだに1冊しかはさんでいないということになります。テーマも同じで執筆言語も同じくドイツ語なのに、何で1冊にまとめないんだろう。とまれ、以下、出版社のサイト内に掲載されている紹介文(おそらく現物の背表紙に印刷される)を和訳しておきます

ハサン・ラッサース(1188年没)は12世紀のイエメンで始まるバスラ派ムウタズィラ学派神学の受容を代表するもっとも影響力の強い人物である。彼は存在論、因果論、そして「様態(aḥwāl)」理論として知られる属性論に関して高度に洗練された著作を複数残している。そのため彼はムウタズィラ派の学者のなかでは、自らの自然哲学に関して包括的な体系化を行っためずらしい事例となる。Jan Thiele の研究は、主としてこれまで検討されることのなかった諸写本を用い、それによりザイド派およびイスラムの教義史研究においてほとんど知られていなかった1章に新たな知見をもたらしてくれる。本書は後期ムウタズィラ派に焦点を当てることで、同派の学説がこうむったさまざまな発展に関して通時的に厳密な理解を与え、以って現今のイスラム思想史研究に流布する同派の学説を「歴史的に変化の少ないもの」と見なす臆見(static perception / statische Wahrnehmung)に見直しをせまるものである

関連ポスト:ティーレ「ハーキム・ジシュミーの因果論」(2012.9.18)。

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