先日の記事で van Bladel: The Arabic Hermes (2009) の読書メモをポストしました。これは第一には現在執筆中の論文で 14-15 世紀のイスラム圏における一種の「古代神学」(sophia perennis, prisca theologia, ǧāvidān-ḫiraḏ etc.)を扱っているからなんですが、進捗にかんして二か月ほど前からツイッターでつぶやいていたところ、それを見たヒライさんから打診があり、新たな対談企画が実現しました!今度のテーマは「ヘルメス主義」(Hermeticism)。前世紀のイェイツによる一連の仕事により人口に膾炙し、現在もポピュラーカルチャーのレベルで人々のイマジネーションを刺激しつづける、この悪名高き概念。その「内実のなさ」に切り込みながら、ヘルメスの名がアラビアとヨーロッパで巻き起こしたさまざまな問題を語りあいました。
プレミア公開(先週水曜日)には、ユダヤ学の山城貢司さん、占星術研究家の鏡リュウジさん、翻訳家の大橋喜之さんという錚々たる面々が遊びにきてくれて、同時チャットへの対応は楽しくも壮絶なものとなりました。そのときの爪痕(の一部)は現在もリンク先のチャット欄(基本的に PC のみ表示可)に残されています。あわせてご覧ください。なお、非常に大切な点なので断っておきますが、対談中では Arabic Hermetica(アラビア語ヘルメス関連文書)のことを「アラビア語ヘルメス文書」と呼んでしまっています。ヒライさんも即座に指摘しているとおり、これは学術レベルでは不適切な言い回しになります(少なくとも慣行には反する)。このへんの事情は、van Bladel 本の読書メモの §0(イントロ)をご覧ください!
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