とりあえず無事(?)発表も終えて、帰還しました。いろいろとつめこみすぎたせいで、聴衆にあまり主旨が伝わらなかったように見受けられたので、その点と、あとはやはり英語力(あるいはドイツ語力)ですね。これは一朝一夕でどうにかなるものではないので、日々修練だなと痛感しました。印象に残ったのは、Lameer と Adamson ご両人からの質問。特に Lammer からは、taṣdīq (論理学で用いられるペアの術語「概念」/「判断」のうちの「判断」に相当するアラビア語)の訳し方に対する指摘を受けました。要するに「君は何故この語を判断と訳そうと思ったのだ」と。で、答えに窮していると、そこからは彼の講義がはじまりました。内容は完全には理解できませんでしたが、大まかなラインとしては、彼個人としては “Judgement” よりも “Assent” のほうがいいんじゃないかと思う。ところが以前この点に関して、同じくアラビア論理学が専門の Street に質問してみたところ、「どうも “Assent”(「同意」)には意志の働きが含意されているように思われるから、私としては “Assent” よりも “Judgement” を推したい」と返事された、と。なるほど、その点に関しては、私も「同意」です。
次に Adamson からは「ファナーリーというのは、初期オスマン朝だと言っているけど、何か後代に大きな影響を与えた人物だったのか、それとも isolated な人物だったのか」という質問。これは序論のところできちんと紹介できなかった私の非を象徴する質問だったわけですが、答える分にはわりと容易いたぐいの質問だったので、「彼はその後のトルコとイランにおける存在一性論にかなり大きな影響を与えた人物だと言われています。ただし、その影響力の実際のスコープはまだ明らかにはなっていないので、確たることは言えないのですが」と言っておきました。私の英語が通じていれば、の話ですが。
発表が終わったあとは、ほとんど純度 100 % の社交辞令だとは思いますが、何人かの方から「それはもうどこの雑誌に投稿するとか決まってるの?面白かったから、早く論文にしてね!」と声をかけていただきました。ただ、1 人だけ、博論のテーマがやたら近いユトレヒトの院生 Eric くんからは熱烈な反応があって、連絡先を交換し、資料面・情報面での協力関係を築こうという協定も結ばれました。この出会いが今回のミュンスター遠征での一番の収穫だったかもしれません。その後はイスラムの自然学関係(Adamson, Wakelnig など)のセクションやら、東方教会関係のセクションやらにお邪魔して、わかったりわからなかったりしつつ、時をすごしました。あとは瑣末なことですが、Adamson の英語はわりと聴きとりやすく(ただしWisnovsky の英語ほどではない)、Griffel の英語は遠慮なしのバリバリの米国発音で聴きとりにくいという点でしょうか。とりあえず私は、Wisnovsky 発音のコピーを目指します。
次に Adamson からは「ファナーリーというのは、初期オスマン朝だと言っているけど、何か後代に大きな影響を与えた人物だったのか、それとも isolated な人物だったのか」という質問。これは序論のところできちんと紹介できなかった私の非を象徴する質問だったわけですが、答える分にはわりと容易いたぐいの質問だったので、「彼はその後のトルコとイランにおける存在一性論にかなり大きな影響を与えた人物だと言われています。ただし、その影響力の実際のスコープはまだ明らかにはなっていないので、確たることは言えないのですが」と言っておきました。私の英語が通じていれば、の話ですが。
発表が終わったあとは、ほとんど純度 100 % の社交辞令だとは思いますが、何人かの方から「それはもうどこの雑誌に投稿するとか決まってるの?面白かったから、早く論文にしてね!」と声をかけていただきました。ただ、1 人だけ、博論のテーマがやたら近いユトレヒトの院生 Eric くんからは熱烈な反応があって、連絡先を交換し、資料面・情報面での協力関係を築こうという協定も結ばれました。この出会いが今回のミュンスター遠征での一番の収穫だったかもしれません。その後はイスラムの自然学関係(Adamson, Wakelnig など)のセクションやら、東方教会関係のセクションやらにお邪魔して、わかったりわからなかったりしつつ、時をすごしました。あとは瑣末なことですが、Adamson の英語はわりと聴きとりやすく(ただしWisnovsky の英語ほどではない)、Griffel の英語は遠慮なしのバリバリの米国発音で聴きとりにくいという点でしょうか。とりあえず私は、Wisnovsky 発音のコピーを目指します。
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