Sonntag, 21. April 2019

トルコ至宝展:チューリップの宮殿、トプカプの美

国立新美術館で開催されているトルコ至宝展を見てきました。小規模ではあるものの、じっくりと見てまわれば 2 時間は要する見応えのある内容で、とても楽しめました。ただ、全体的に美術品を美術品として展示することに終始している印象で、美術史に明るければ別でしょうが、私のような人間にとっては、具体名を挙げて言及される建築家や画家の当時の活動の詳細だとか、政治・社会状況との関連なども説明してもらえたほうが、楽しめたように思います。

個人的に興味深かったのは、挿絵付きのチューリップの品種便覧。16 世紀になり、チューリップの品種改良が盛んになるにつけ、新たな品種を作り出した者には、その旨を報告する義務が課せられるようになったらしく、このような経緯のもと、帝国内で手に入る(?)チューリップの全品種を網羅した挿絵付きハンドブックが作成されるようになったんだそうです。また帝国史上、スルタンの権威を視覚的に表現(強調)すべく、建築家や金細工職人、陶器職人らがさまざまな芸術作品を作り出したようで、それらのおそらくほんの一部が展示されてはいましたが、彼らの制作活動の背景に何らかの宗教的理念があったりはしなかったのか、という点も気になりました(この点については、すでにいろいろな研究が出ているのだろうとは思います)。

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