遅くなりましたが、2010年度に行ったお仕事一覧です。
論文:
1) 「ファナーリー存在論における存在と非存在者:存在の存在証明と必然性の証明をめぐって」小林春夫・阿久津正幸・仁子寿晴・野元晋(編)『イスラームにおける知の構造と変容:思想史・科学史・社会史の視点から』(早稲田大学イスラーム地域研究機構、2011年)、337-62頁.[査読無]
発表:
1) 「タフターザーニー=ファナーリー論争における〈関係〉:存在をめぐる論争と基底形‐派生形問題の接点」、イスラーム地域研究・若手研究者の会(於東京大学)、2010年7月25日.[研究会]
2) 「『プラトン的知性的諸形象』に見る形象論の諸相:ファナーリーによる絶対存在の存在証明との関連をめぐって」、日本オリエント学会第52回大会(於国士舘大学)、2010年11月7日.[学会]
翻訳:
1) フアード、H. A. 「天上と地上のヴィジョン:スーフィズムの初期モデルをめぐって(前編)」『死生学研究』第14号(2010年)、42-83頁.[共訳]
2) 同 「天上と地上のヴィジョン:スーフィズムの初期モデルをめぐって(前編)」『死生学研究』第15号(2010年)[共訳;近刊]
本当は現在執筆中の「ファナーリー存在論におけるプラトン的形象:絶対存在の存在証明と『プラトン的知性的形象』」(仮題)の投稿にまでこぎつけたかったのですが、私の怠惰のために、叶いませんでした。結果、査読無しの論文が1本だけというさみしい事態になっているわけですが、無理だったものは仕方ありません。また2010年度は、前期にはルーヴァンのJules JanssensのAn Annotated Bibliography of Ibn Sina: Second Supplementのお手伝い、後期には修論・卒論の添削にかなり時間をとられましたが、こういう名前の現れないお仕事を手を抜かずにやっていれば、そのうち何らかのかたちで返ってくるものと信じます。
今年度が学振DC1の最後の年なので、まずは上記の形象論論文をできるだけ早く投稿にまでもっていって、然る後に思い切って、これを英語に翻訳しようと考えています。というか、できれば既発論文ともからめて、少しだけ話をふくらませたいという妄想もあります。今年度中に投稿までこぎつけることができるほど甘いものではないのでしょうが、とにかくやってみようと思います。
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