Donnerstag, 20. September 2012

東長(編)『オスマン朝思想文化研究:思想家と著作』

東長靖(編)『オスマン朝思想文化研究:思想家と著作』(科学研究費補助金[基盤研究B]「オスマン朝期のイスラーム思想研究:中世イスラーム思想の全体的解明を目指して」[平成21-23年度])京都大学イスラーム地域研究センター(KIAS),2012.

オスマン朝期のイスラム思想研究に関する科研の報告書を入手しました。全体を通して新規性のある論考群というよりは、資料集としての性格が強い論集のようです。オスマン朝期の思想研究はまだ世界的にもさほど進められてはいないようですが、やはりこの報告書を少しのぞいてみただけでも、知らない先行研究がいくつも挙げられていました。まだウェブ上にも目次はアップされていないようなので、ここにメモしておきます。

第1章 スーフィズム・タリーカ研究:レファレンスと著作(東長靖・今松泰・ダニシマズ・イディリス)
 第1節 概観(東長靖)
 第2節 主要思想家と著作
  1. ダーウード・カイサリー『カイサリーの論攷』より「存在降下の諸段階と神的五次元」(東長靖)
  2. アフメド・ビージャーン『愛する者たちの光』およびヤズジュオール・メフメト『ムハンメディエの書』(今松泰)
  3. ラーミイー・チェレビー『親愛の息吹翻訳』(今松泰)
  4. シャアラーニー『最も大いなる方々の信条の説明についての宝石と宝玉』(東長靖)
  5. アブドゥッラー・ボスネヴィー「知の対象への知の従属性における封印された宝物」(東長靖)
  6. イスマーイル・ハック・ブルセヴィー『存在の五次元説の書』(ダニシマズ・イディリス)
  7. イブラヒム・ハック・エルズルミー『智恵の書』(今松泰)
  8. ナーブルスィー『叡智の台座注釈』(東長靖)
  9. アブドゥルカーディル・ジャザーイリー『諸階梯の書』より第211階梯(東長靖)
  10. ユースフ・ナブハーニー『聖者の奇蹟集成』より「アブー・アッバース・アフマド・ティジャーニー」(東長靖)
  11. テッケ・聖者廟閉鎖の法律条文(今松泰)
第2章 神学・論理学研究:オスマン朝における神学と論理学(竹下政孝)
 第1節 神学研究の概観
 第2節 神学の主要思想家と著作
  I. 15世紀
   1. イブン・フマーム / 2. フズル・ベイ / 3. シャムスッディーン・ハヤーリー / 
   4. ホジャザーデ・ムスリフッディーン・ムスタファー / 5. モッラー・ルトゥフィー 
  II. 16世紀
   1. イブン・カマール・パシャ / 2. ターシュクブリーザーデ / 3. ナウイー
   III. 17世紀 
   1. アリー・カーリー/ 2. ハサン・カーフィー・アクヒサリ / 3. ラカーニー / 4. ベヤーズィーザーデ・
   アフメド・エフェンディ  
   IV. 18世紀 
   1. アブデュルバーキー・アーリフ・エフェンディ/ 2. イスビリー・カーディーザーデ / 3. ナーブルスィー / 
   4. マストゥジーザーデ・アブドゥッラー・エフェンディ / 5. ダーウード・カルスィー / 6. アブー・ウズバ / 
   7. アクキルマーニー・メフメド・エフェンディ / 8. ゲレンベヴィー・イスラーイール・エフェンディ 
     V. 19世紀後半から20世紀
 第3節 論理学研究の概観
 第4節 論理学の主要著作家と著作
     I. 15世紀~18世紀
  II. 19世紀~20世紀
第3章 文学・歴史研究:オスマン詩を用いた社会史研究の可能性(林佳世子)
 第1節 概観
 第2節  主要思想家と著作
  1. バーキー『ディーワーン』より「亡きスレイマン1世への哀悼歌」
  2. アーシュク・チェレビー『詩人伝』より「バーキーの項」
  3. ヴァルヴァル・アリー・パシャ『自伝詩』
  4. ラフミー「王子ムスタファのチェシュメ碑文詩」
  5. ハーティフ「アフメディエ施設群のチェシュメの碑文詩」
第4章 政治思想研究:スィヤーセト・ナーメと歴史書(濱田正美)
 第1節 概観
 第2節 主要思想家と著作
  1. アーシュク・パシャザーデ『アーシュク・パシャザーデ史
  2. トゥルスン・ベイ『征服王伝』
  3. エビュッスウード・エフェンディ『エビュッスウード・エフェンディのファトワー3種』『スレイマニエ・モスクの銘文』
  4. ムスタファ・アーリー『諸情報の宝蔵』
  5. コチ・ベイ『論策』
第5章 近代思想研究:文献研究の指針(三沢伸生)
 第1節 概観
  1. 近代の基点
  2. 思想の百花繚乱
  3. メディアの発達
  4. 文献研究の現況
 第2節 主要思想家と著作
  1. アフメト・レフィク・アルトゥンアイ『チューリップ時代:ヒジュラ歴1130 ~1143年』
  2. アフメト・ラースィム『これぞ文筆家』
  3. ズィヤ・ギョカルプ『トルコ化,イスラーム化,近代化』
  4. ハリデ・エディプ・アドゥヴァール『炎の服』
  5. ムスタファ・サブリ・エフェンディ『真理の表明』
  6. アフメト・イフサーン・トクギョズ『学問の富』

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